天国と極楽
- 2019.05.09 Thursday
- 22:52
さて、昔から思っていたことがあります。
葬儀後、喪主様の会葬者へのご挨拶でよく、「母は先に逝った父と、天国で再会していると思います」
というような言葉を聞きます。
宗教者として、この世では無い世界で再会を果たすとういうのは到底否定はしません。
むしろ、曹洞宗の葬儀は安らかな世界への旅立ちという一面もあるため、そのように言って下さるのは宗教者冥利につく、大変有難い事です。
しかし、1点。ただ一点。
喪主さん、そこは天国ではなく、極楽ですよ。
と心の中でよく思う訳です。
天国はキリスト教の世界観なのです。
現代日本ではあの世=天国というイメージが強いため、このような少々悔しい(笑)思いを致す訳でございます。
いつのまにこうなってしまったんですかね。
あと、似たような事で、お葬式の事を告別式と言う方も大変多いものです。
油断をしていると、葬儀屋さんもお葬式のことを告別式と言います。
看板にも通夜○○時〜 告別式〇〇時〜とよく書かれています。
葬儀と告別式は似て非なる物で、まったく別物です。
葬儀=宗教的な儀式(旅立ちの儀式)
告別式=別れを告げる儀式 ※よく見受けられるのが家族親族等が花を棺の中に手向け、喪主がご挨拶をする式です
なのです。
この二点、故人を導く司祭者として、強く強くアピールしていきたいと願っております。
合掌